職場での不審者対策と訓練

man sitting on staircase wearing face mask 生活
Photo by Sami Boudjelti on Unsplash

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はい、ひかるです。

私は仕事場で不審者対策担当です。

近頃は仕事場で不審者対策を求められるようになり、1年に1度警察官の立会いのもと不審者対策の訓練を行なっています。

今年も不審者対応の訓練をしましたので、訓練をして感じたこと、警察からのアドバイスをシェアしたいと思います。

防犯訓練

私が企画、場面設定をしたのですが、不審者が職場に入ってきて、職員がナイフで襲われるという設定にしました。

昨年も訓練をやったので、その体験を踏まえて不審者対策をして対応したのですが、対策は全く不十分でした。

本当に不審者がナイフを振り回したら全員刺されるだろうな。という結果になってしまいました。

しかしながら訓練の様子を見にきてくれた警察署の生活安全課のお巡りさんが私達の動きを観察して、こうした方がいいよ。というアドバイスをくださいましたのでまとめたいと思います。

訓練シナリオ

職場での訓練で私が担当したので、職員の中で一番身長が高い上司を不審者役にしました。

玄関近くの事務室に職員が何人かいて、1人が110番通報して、他の職員は直接対応で不審者を追い払うというシナリオでした。

110番通報も他の職員に実際にやってもらいたかったので、事前に近くの警察署に訓練をする旨を伝えると、訓練当日生活安全課のお巡りさんが職場に訓練の様子を見にきてくれることになりました。

110番通報を行うにも訓練だと、スケジュールが意外と混んでいて、今回は予定より一ヶ月も先になってしまいました。

訓練実施

上司が不審者役だったのですが、めちゃめちゃ乗り気でなりきって演技をしてくれまして、演技なのにちょっと怖かったです。

上司が扮する不審者が無言で施設内に入ってきて、誰かを探す様子であちこちの部屋を覗き込み、職員に声をかけられてもウロウロし、そのうちナイフを取り出し、振り回して職員をナイフで切りつけてきました。(もちろん切れないように入れ物に入れて、切りつける真似ですが)

私たち職員はさすまたや傘で応戦し、手近にあるものを不審者に投げつけましたが、不審者はひるむことなく切りたいだけ切って逃げて行きました。

そして逃げることも応戦することもできない人は部屋の内側から鍵をかけて、自分の安全を確保するということになっていました。

通報訓練

そして110番通報ですが、通報するタイミングが難しい。私たちの職場では不特定多数の人が出入りするので不審者なんだか、ただ迷って入ってきたのかさえも判断が難しいのです。やたらに通報するのも気がひけるし…

通報は「訓練、訓練」と言ってから始めるのですが、あちらから聞かれる内容が細かくて答えるのに結構時間がかかる。うっかりすると通報の間にナイフで刺されそうです。

聞かれたのは、通報した人の名前、今いるところの住所、電話番号、目印となるも目標物、不審者の特徴(身長、体型、メガネや帽子の色、洋服など)など何分もかかる内容でした。

訓練をやってみて感じたこと

前年の不審者対策訓練の時に「そもそも不審者が簡単に入ってこられないようにするのが大事」と警察の方に言われたので、二重になっている自動ドアの内側の方を自動で開かないようにしていました。

しかし、不審者は簡単に手で押しあけて入ってきてしまい、何の抑止にもなっていませんでした。それどころか、最近のコロナ対策でアクリル板を職員の机に置いてあるので、誰かが玄関から入ってきたことすら気づきませんでした。

また、直接対応ではさすまたを使った職員がいましたが、使い慣れていないので逆に使われてしまいかえって危ない目にあいました。

私は傘でお腹を突こうとしたのですが、簡単に手で払われてしまい役に立ちませんでした。

逃げることも応戦することもできない人は、部屋の内側から鍵をかけて安全を確保するということになっていましたがドアの構造上、ゆっくり閉まるタイプだったので、不審者が本気だったらやられていたことでしょう。

また、その辺にあるものを不審者に投げつけてみましたが相手がひるむ様子はありませんでした(投げる方が手加減したせいもありますが)

というわけで、不審者は私たちを切りたいだけ切って去って行きました。

警察からのアドバイス

そもそも自由に出入りできる様にしないことが1番大切

仕事場は一階に二重の自動ドアがあり、すぐ横に事務所があります。

前年は自動ドアを二枚とも自動で開く様にしていたのですが、警察から簡単に入ってこないようにしたほうがいいと言われたため、内側のドアを手で開けるようにしていました。

不審者が少し戸惑って止まるかなと期待したのですが、今回訓練してみると、不審者は手動でも、スッと入って事務所の前を通り過ぎて、事務所にいても気づかないほど。

不審者は下見に来るそうなので、手動であることを知っていて、全く抑制できませんでした。

ドアは閉めておいて、来訪者を確認してから開けるようにと言われました。

さすまたで捕まえるのは難しいので、不審者を威嚇して追い出すのに使う

さすまたで不審者を捕まえるのは素人にはかなり難しい。よほど普段から練習しないと無理です。

下手すると逆に攻撃されてしまうので、さすまたは不審者の目を狙って攻撃する。こまかく何度も目の前に顔をつつくような動作をすると相手はひるむ。ひるむと攻撃する気がしぼみます。ひるんだと同時にさすまたで追い出すイメージです。

さすまたを買っただけで安心してはいけないんですね。使い方が重要です。

鍵をロックして室内にとどまるのも避難のひとつ

避難のつもりで外に逃げ、同じように外に出てきた不審者と鉢合わせすることが考えられます。

カギがかかる場所では、高齢で早く動けなかったりする場合は鍵をかけて、たてこもったほうがいい場合もあるそうです。

攻撃は目を狙って

不審者を追い払うのは目にめがけて物を投げたり、長い物で目をつつく

私は傘で応戦したのですが、お腹を狙ったので簡単に手で払われてしまいました。目を狙ってつつけば効果があったそうです。

特別な道具がなくてもカサとかゴミ箱など不審者と距離をとれるものを利用して顔を狙って攻撃。

長いものがなくても、そこらにあるものを顔めがけて投げる。

実際に誰かにやってもらって体験してみるとわかりますが、顔に何かを投げられたり、突きつけられたりるすと確かに怖いです。

人気のないところの窓は開けておかない

コロナ対策で換気のために窓を開けていることがありますが、人がいないところの窓は不審者が入るので危険です。

換気をする間は人がいる様にして、換気が終わったらしっかり閉めましょう。

来訪者には挨拶を

不審者は下見をしに来るので、普段から見慣れない人が来たら、「こんにちは」と声をかけて、(ここはちゃんとみてるな。顔を覚えられたかも)と思わせると、事件を起こすことを躊躇する可能性があるそうです。

来訪者の対応を面倒くさがって、下を向いていてはいけないんですね。

不審者の特徴は手分けして覚える

110番通報の練習もしたのですが、結構細かく不審者の特徴を聞かれました。服装、体型はもちろんメガネの色まで聞かれて、(そんなの家族の物でさえみてないよ)と思いましたが、職場でAさんは上半身(帽子、メガネ、上着)Bさんは下半身(ズボンや靴)の特徴を覚えておくなど決めておいた方がいいといわれました。

覚えることが少なければ、後になって記憶があやふやになるのも多少は防げます。

特に上半身に身につけているものは比較的取り替えやすいので、下半身のものの方が情報としては大事なようでした。

まとめ

不審者が入ってきてしまってからの対応は、怖いし、大変なので、侵入を防ぐのが一番簡単で確実かなと思いました。

ドアはできるだけ閉めておいて、インターホンなどで確認してから開けた方がいい。

110番通報では住所、電話番号、警察に来てもらうときに説明しやすいように目標物などを確認しておくこと。なんなら書いて貼っておくとパニクっても安心ですね。

私なんて自分で訓練内容決めたのに、しかも上司が不審者役なのに偽ナイフ振り回された時、かなり動揺したので110番通報の係だったとしても、住所や電話番号を答えられたかどうか自信がありません。

コロナ対策の換気のために出入り口を常時開けたままにしている公共施設を見かけますが、不審者から見るとめっちゃウェルカム状態ですね。

防犯対策と換気を同時にするのはなかなか大変ですが、安心して生活する上でどちらも大切なことなので、両立していきたいと思います。

仕事場にお巡りさんに来てもらうのは、私はかなり緊張するのでできればやりたくなかったのが本音なのですが、頂いたアドバイスはかなり貴重なものですし、実際に110番通報ができるのはいい経験です。

一度経験しておけば、通報する心のハードルが少し下がりますので、経験しておいた方がいいかもしれません。

お巡りさんも一般市民が防犯訓練をしてくれた方がうれしいと言ってくれました。

今回は防犯訓練の後に、振り込め詐欺の予防と自転車の盗難防止の話をしてくれました。

振り込め詐欺が減らないので、こういう機会に啓蒙活動に励んでいるそうで、win-winの関係なので、皆さんの職場でもこういった防犯訓練を計画、実施してみてはいかがでしょうか。

 

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